2018年2月〜4月までの1ヶ月半、私はつわりが酷く会社をお休みしました。復職後も最初の2週間は勤務時間を短縮することでなんとか仕事復帰できました。
その時に初めて知ったのが「母子健康管理指導連絡カード」というものでした。
母健連絡カードとは?誰でも使えるのか?使用方法や費用は?その間の給与は?など、自分の体験をもとにまとめてみました。
・妊娠中の勤務できないほどの体調不良は無理をしない
・つらい時は母健連絡カードを利用しよう
・働く妊産婦さんが対象
・休職、通勤緩和、勤務時間短縮などを会社に要望できる
・まずはかかりつけ医師に相談
Contents
母子健康管理指導連絡カードとは
働く妊婦さんが妊娠中に起こる様々な症状(妊娠悪阻、切迫流産、切迫早産など)や、出産後の回復不全を理由に休職、通勤緩和、勤務時間短縮などを求めた場合医師からの指導として会社へ提出できるものです。
医師から指示が出ていても仕事で迷惑をかけられない、会社に受け入れてもらえないのではと勤務先に言い難いということもあるかもしれません。
母性健康管理指導事項連絡カードは働く妊婦さんが無理のない働き方ができるよう、法律で守られたものとなっています。無理をして赤ちゃんになにかあってからでは遅いので、会社に迷惑をかけられないと感じていても母子の健康を最優先しましょう。
どんな状況で利用できるの?
仕事を持つ妊産婦の方が医師等から通勤緩和や休憩などの指導を受けた場合、その指導内容が事業主の方に的確に伝えられるようにするために利用するものです。
女性労働者からこの「母健連絡カード」が提出された場合、事業主の方は「母健連絡カード」の記載内容に応じた適切な措置を講じる必要があります。
参考:厚生労働省委託 母性健康管理サイト
症状はつわり、妊娠悪阻、妊婦貧血、切迫流産、切迫早産など約16項目があげられています。それぞれに対する指導事項と措置が必要な期間を医師に書いてもらいます。
母健連絡カードはどこで入手する?
母健連絡カードは以下の3つの方法で入手することができます。
・母子健康手帳
・産婦人科
・厚生労働省委託 母性健康管理サイト
母子健康手帳
自治体によっては母子手帳に添付されていることもあります。まずは自分の持っている母子手帳を確認してみましょう。
産婦人科
症状を産婦人科医に直接診察してもらい、その場で書いてもらいます。各病院に置いてある母健連絡カードを使用します。
厚生労働省委託 母性健康管理サイト
厚生労働省委託 母性健康管理サイトで母健連絡カードをダウンロードできます。PDFまたはWordでダウンロードできます。
母健連絡カードの使用方法
- STEP.1産婦人科を受診体調が悪い場合は産婦人科を受診しましょう。母子健康診断で受診した際に医師から指導をもらう場合もあります。
- STEP.2母健連絡カード発行かかりつけ医に相談し、診断内容を母健連絡カードに書いてもらいます。
- STEP.3母健連絡カードを勤務先に提出母健連絡カードを勤務先に提出します。会社へ出勤できる状態でない場合は郵送します。これで勤務先に措置申請ができます。
- STEP.4勤務先からの措置勤務先から「母健連絡カード」の記入事項に従って通勤緩和や勤務時間短縮等の措置を講じます。
母健連絡カードは何度も書いてもらえるの?
母健連絡カードは何度も書いてもらうことが可能です。
例えば医師の診断で2週間の休業の指示が出て勤務先に母健連絡カードを提出します。しかし2週間後症状が改善されていなければ再び医師の診断を受け、母健連絡カードを再度書いてもらい勤務先へ提出することができるのです。
また、一度目は妊娠悪阻、二度目は切迫早産と違う症状でもそれぞれに母健連絡カードを書いてもらうことができます。
母健連絡カードの費用は?
母健連絡カードの発行費用は、病院によってまちまちです。診断書より安い金額で発行するよう病院側が指導されているため、2,000~4,000円前後で発行してもらえることが多いようです。
私は2,000円代で発行してもらえていました。気になる人はかかりつけの病院に料金を確認してみてください。
別途診断書は必要?
母健連絡カードは、一般の傷病での診断書と同等に取り扱われています。つまり別途診断書までは不要です。ただし、勤務先によっては母健連絡カードと診断書の両方の提出を求められることがあるようです。その場合は母健連絡カードが診断書と同等の効力であることを勤務先に説明したうえで、診断書の発行を検討してみてください。
休職、通勤緩和や時短勤務時の給与
まずは、人事労務担当者に、あなたの勤務先の就業規則の病気休暇や母性健康管理の措置についてどのように定めてあるのか確認しましょう。
病気扱いになるかは勤務先による
母性健康管理に基づく休業については、必ず病気休暇扱いとしなければならないものではありません。
妊娠・出産というのは、大きな問題がなければ”病気”ではありませんが、”特別な健康状態“ではあります。しかし、状態が悪化して“治療”の必要があるとなれば、”病気”という扱いにならざるを得ないと考えられています。
例えば、「つわり」であれば、妊娠初期にみられる”特別な健康状態”ですが、極度に食欲がなく脱水を起こすなどして点滴などの”治療”が必要となった場合は、「悪阻(おそ)」といわれ”病気”と解釈されます。”病気”であれば、診療や治療については健康保険が適用されることになります。
傷病手当金について
勤務先の就業規則によりますが、病気と診断され休職した場合、病気休暇として傷病手当金がもらえることも可能です。
傷病手当金とは、健康保険の加入者が、業務外の病気やケガで働くことができない状態になったとき、給与の2/3の額を最長で1年6ヶ月受け取ることができる制度です。
通勤緩和や時短勤務も勤務先の就業規則に沿った給与を受け取れます。詳しい措置については勤務先の人事労務担当者に相談しましょう。
※傷病手当金についてまとめた記事はコチラから確認できます。
傷病手当金の支給額・条件・受け取り方法まとめ【体験談あり】妊娠中つわりで休職した話母健連絡カードを利用した体験談
ここからは私の体験談をお話します。つわりが悪化し妊娠悪阻となったパターンです。
妊娠悪阻で休業
私は吐きつわりが酷く妊娠悪阻と診断され、産婦人科医に母健連絡カードを書いてもらい1ヶ月半休職しました。
突然つわりが始まり、つわり初日から5回以上吐いて水分も取れなかったため産婦人科を受診、尿検査でケトン体が4+と数値が高く点滴を受けました。
この状態で仕事には行けないと医師に相談したところ母健連絡カードをその場で書いてもらい勤務先に提出、その日から2週間休職しました。
2週間経っても症状が改善されないため再度医師に母健連絡カードを書いてもらい2週間、一度改善されたかと思ったのですがまた悪化し2週間と合計3回休職のための母健連絡カードを書いてもらいました。
復帰後2週間は勤務時間短縮
1ヶ月半の休職でなんとか妊娠悪阻は改善され、4月に復帰しました。この時も産婦人科医に母健連絡カードを書いてもらい2週間は勤務時間短縮措置をとらしてもらいました。
つわり中はとにかく匂いがダメですぐ吐きそうになるため、朝は早くに出勤し午後5時には退社することで通勤ラッシュを避けることができました。
その後は朝の通勤ラッシュを避けて早くに出勤し、定時で帰らせてもらうことで産休に入るまで仕事を続けることができました。
休職〜復帰後の給与について
休職中、人事部の人に確認し、休職中は「傷病手当金」が出るということを教えてもらいました。傷病手当金のおかげで給与が全く発生しないということがなく、安心して自宅療養することができました。
復帰後の勤務時間短縮では、勤務した時間での給与が発生しました。普段よりは若干少ないもののしっかり働いた分のお給料がもらえるのは有り難いですね。
ちなみにボーナスは休職期間を除いた分をもらえました。
まとめ
妊娠中は体調不良や赤ちゃんのトラブルなど不安や心配がつきまといます。今までバリバリ仕事をしてきた働く妊婦さんは、自分が休んだり時短勤務になることで仕事に支障がでてしまうかも・・と無理をしてしまうかもしれません。
また、仕事を休むことで職場での人間関係に不安を抱き、無理やり出勤している妊婦さんもいるかもしれません。
1ヶ月半仕事を休んで私が実感したことは「休んでもなんとかなる」ということです。
勤務先の上司とは小まめに連絡を取り合い相談したり、復帰後もできる範囲でしっかり働く姿勢を見せることで職場の人とのトラブルもありませんでした。
逆に時間が限られているので今までより短時間で以前と同等の成果物を出せるように改善しフローやマニュアルをまとめることで部署評価も上がりました。
怖い話をしますが、無理をしすぎてお腹の赤ちゃんに負荷がかかってしまい最悪流産、死産になってからでは遅いのです。
赤ちゃんを守れるのはあなたしかいません。大事な命をしっかり守ってあげてくださいね。
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