妊娠中に気をつけたい感染症として、風疹・麻疹があります。風疹麻疹と妊娠には大きく関係があり、特に注意が必要です。
私は妊娠してから風疹麻疹の抗体がないことが判明し、妊娠前に抗体検査をしなかった後悔と赤ちゃんに万が一のことが起こらないようとても気をつけていました。
これから妊娠する人には私のように後悔してほしくないので、妊娠中の風疹麻疹についての注意点と、妊娠前にできる抗体検査、予防接種を受ける方法をまとめました。
・風疹に感染すると先天性風疹症候群になる可能性がある
・麻疹に感染すると流産・ 死産、早産の頻度が上昇する
・子供の頃に予防接種していても抗体がなくなっている可能性がある
・妊娠中に風疹麻疹の予防接種はできない
・だから妊娠前に夫婦で風疹・麻疹の抗体検査を受けよう
・そして抗体がない場合は予防接種を受けよう
Contents
風疹・麻疹とは?
風疹について
・風疹は急性の発疹性感染症
・症状:発疹、発熱、リンパ節の腫れ
・感染経路:飛沫感染(風疹感染者の咳やくしゃみからウイルスを吸い込む)
・潜伏期間:2〜3週間(平均16〜18日)
・感染予防法:風疹ワクチンの接種
一度かかると、ほとんどの人は生涯風疹にかかることはありません。感染者は近年は多くが30代〜50代の成人男性です。
麻疹(はしか)について
・麻疹(はしか)は急性の熱性発疹性の感染症
・症状:発疹、発熱、リンパ節の腫れ
・感染経路:空気感染、飛沫感染、接触感染
・潜伏期間:発熱等の症状が出現する1日前から発疹出現後4~5日目くらい。解熱後3日間を経過するまで出席停止と決められている。
・感染予防法:麻疹ワクチンの接種
麻しんウイルスは人のみに感染するウイルスであり感染すると90%以上の人が発病します。感染発症した人から人へと感染していきます。
麻疹に感染した人の30%は合併症にかかり、肺炎、中耳炎、脳炎、心筋炎等の症状がでます。
妊娠中の風疹麻疹について
妊娠中に風疹に感染した場合
症状:難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等
妊娠中、特に妊娠初期〜妊娠20週頃までに注意が必要です。妊娠の早い時期ほど先天性風疹症候群を発症する確率は高くなります。
先天性風疹症候群を発症する確率
- 妊娠1ヶ月で50%以上
- 妊娠2カ月で35%
- 妊娠3カ月で18%
- 妊娠4カ月で8%程度
妊婦さんが風疹にかかると胎児も感染してしまい、先天性風疹症候群になる可能性があります。
先天性風疹症候群と気づくまでに時間がかかることもあります。
妊娠中に麻疹に感染した場合
また、胎児の発育異常、羊水量の異常、新生児麻疹(分娩時罹患) などをきたすおそれがある
妊娠中に麻疹(はしか)に感染すると、一般に重症化することが知られています。
胎児への影響は大きく注意が必要ですが、胎児奇形を起こすことは ないとされています。
妊娠中に風疹麻疹の予防接種は受けられない
妊婦さんは原則すべての生ワクチンの接種は受けられません。
すなわち、妊娠期間中は、生ワクチンであるMRワクチン、麻疹ワクチン、風しんワクチンの接種も受けられません。
抗体がない状態で妊娠した時の注意
まさに私がこの状態でした。妊娠初期の妊婦健診で血液検査をした結果、風疹麻疹の抗体がないことが判明し医師から指摘を受けました。
妊娠していたので予防接種は受けられずこれから9ヶ月間の妊娠中はずっと注意する必要がありました。
・外出時はマスクをつけて、なるべく人の多い場所には行かないようにする
・もし風疹麻疹に感染してしまった場合は、まずはかかりつけの医師に電話で相談する。
他の妊婦さんへの感染の危険があるので、産婦人科へ直接足を運ぶのは絶対にやめましょう。
風疹麻疹が大流行
妊娠中の風疹麻疹がどんな影響をもたらすかをまとめましたが、かなりこわいですよね。
私も妊娠してから風疹麻疹の抗体がないことがわかり、お腹の赤ちゃんに何かあったら私の責任だ…と、とても不安になりました。
その風疹麻疹が、ちょうど私が妊娠中だった2018年に大流行してしまいました。どんな状況だったのかデータを見てみましょう。
風疹の流行状況
- 感染地域:全国的に流行(首都圏と福岡県が多い)
- 2018年の感染者:累計約3000人
- 20代〜50代の成人男性が最多(男性の感染者数は女性の約3倍)
実は1977年〜1987年生まれの方はワクチン接種を受けた人が非常に少なく、今回の感染者も30代〜50代に多く流行に繋がったとみられています。
麻疹の流行状況
- 感染地域:全国的に流行(沖縄県で大流行、続いて愛知県、首都圏)
- 2018年の感染者:累計約300人
- 感染者が多い年代:30代〜50代が約70%

参考:国立感染症研究所
風疹・麻疹の抗体があるか検査しよう
基本的には2回(子どもの頃も含めて)の予防接種をうけることによって、風疹麻疹にかかることを予防できます。
子供の頃に予防接種していても抗体はなくなる?
しかし子供の頃に予防接種していても抗体はなくなる人はいます。
私も子供の頃に2回予防接種を受けていましたが、妊娠時には抗体がなくなっていました。主人も2回予防接種を受けていましたが検査の結果抗体はなくなっていることが分かりました。
しっかり予防接種を受けていても必要な時に抗体がなくなっている場合があるので、「予防接種ちゃんと受けているから大丈夫」だとは思わず、一度抗体検査をしてみてください。
抗体検査が受けられる場所と費用について
・場所:総合検診センター、内科、総合病院、一部保健センターや区役所
・費用:一般的に抗体検査は風疹・麻疹それぞれ5,000円前後
条件を満たしていれば保健センターや各区役所にて無料で風疹の抗体検査が受けられる。
条件は各自治体によって異なるため市や区のホームページを確認してみましょう。
妊娠前に夫婦で予防接種を受けよう
なぜ妊娠前に夫婦で予防接種が必要なの?
ワクチン接種には、あらかじめ約1か月避妊をした後、妊娠していないことを確認し、ワクチン接種ができます。
また接種後2か月間の避妊が必要になります。
合計3ヶ月避妊するのでもちろんその期間中は赤ちゃんを授かれません。
年間の1/4の妊娠できる機会を逃してしまうのはもったいないですよね。そのため妊活をはじめる前に予防接種をするほうが効率が良いのです。
毎日頑張って仕事をしている男性は、通勤・勤務中に人と接することが多いのでそれだけ感染の確率も高くなります。
もし知らずに風疹麻疹に感染してしまい、知らずに妊娠中のあなたが感染してしまうと赤ちゃんにも影響が出てしまいます。男性も家族を守るために風疹麻疹の抗体を身につけましょう。
予防接種はどこで受けられるの?
予防接種を受けられる医療機関は基本的には「内科」「総合」です。
内科の病院や総合病院へ行けば、ワクチンを取り扱っています。風疹・麻疹単独のワクチンもありますが、MRワクチンだと風疹・麻疹両方の予防ができます。
予防接種費用と助成について
上で紹介した医療機関でワクチンの予防接種をした場合、風疹・麻疹それぞれで8,000円程、MRワクチンで14,000円程かかります。
かなり高額になりますが、各自治体にてワクチン接種費用を助成してくれるのでぜひ活用しましょう。
条件は各自治体によって異なるため市や区のホームページを確認してみましょう。
参考に大阪市の助成のお知らせを載せています。更に調べてみると、私が住んでいる区では自己負担1,000円で予防接種が受けられることが分かりました。

参考:大阪市ホームページ

参考:大阪市ホームページ
まとめ
妊娠中に病気や感染症にかかるとおなかの赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があるので気をつけたいところ。特に風疹麻疹は注意が必要です。
まわりの人達も抗体があればいいのですが、まずは自分の身体は自分で守れるようになるのが簡単で確実な方法です。
家族みんなで感染しないことも生まれてくる赤ちゃんのためにできることですね。
また自分が風疹麻疹に感染してしまうと、まわりにいる妊婦さんに影響があります。
自分の家族同様、今赤ちゃんを身ごもっている人達のためにも予防接種を受け抗体を持つことが大事なのではないでしょうか。
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